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2001.12.9 日本反核法律家協会 報告

東北アジア非核地帯条約構想
−アジアの平和共同体への第一歩−

池 田 真 規  弁護士
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 東北アジア非核地帯条約構想は第一歩であり、最終的にめざしているのはEUに近いアジアの平和共同体だという構想があります。アジアの23ヶ国中20ヶ国は非同盟で、中国は非同盟会議にオブザーバーで入っています。残る二つの国、韓国と日本が軍事同盟を棄てアジアの非同盟に入れば、アジアは平和共存できるのではないかという、途方もない提案です。

 

 10月19日から20日にハノイで行われた第3回アジア太平洋法律家会議(COLAPV、16ヶ国から130名の法律家が参加)の第1分科会「平和の課題」で、私はこの提案をしてみました。

すると翌日に国営TVの取材を受け、どういう主旨かと聞かれました。そこで、「日本はアジアの国々を侵略し、最後に全てを失って原爆で破壊され廃墟になったが、幸いにも闘わずして憲法9条を手に入れた。だから日本がアジアに対し償いをするなら9条でもってするしかないだろう。日本と韓国が非同盟になる、それをカバーするために朝鮮半島と日本列島が非核地帯になれば、アジア平和共同体に近づくのではないかと考える」と言ったら、「よく分かる」と。

 

インタヴューがその晩に放映されたので、「これは馬鹿げたことでもないんだな」とちょっと自信を持って帰ってきました。「アジア平和共同体ができれば、もう日本の自衛隊はいらない」というアンチテーゼとして使おうかなと。

 

(「アジア平和共同体構想について:その第一歩としての東北アジア非核地帯条約構想の提起」 日本国際法律家協会の機関誌INTERJURIST 135号に掲載)