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2001.12.9 日本反核法律家協会 資料

海外のNGO:トライデント・プラウシェアズ、オーストラリアのNGO 


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 トライデント・プラウシェアズの活動 

トライデント・プラウシェアズ報道発表 2001年10月4日

反トライデントキャンペーンが2001年ライト・ライブリフッド賞を受賞

イギリスの法廷が,国際法を根拠としての核兵器に反対する直接行動を処罰し続ける中で,トライデント・プラウシェアズ運動(TP)は,ことしのライト・ライブリフッド賞の4つの受賞者の一つとして国際的な認知を獲得した.

1980年に創立されたライト・ライブリフッド賞は,毎年スウェーデン議会で授賞式が行われ,「今日われられが直面するもっとも焦眉の課題に対する実際的で模範的な提案を称え支援するため」に作られた「もうひとつのノーベル賞」とされる.賞金の2百万SEKは,イスラエル/パレスチナ,ブラジル,ベネズエラの,平和,社会正義,文化再生のために働いた活動家たちと分けられる.

トライデント・プラウシェアズ運動を代表して受賞するのは,トライデント関連の研究用バージの非武器化に対して1999年10月にスコットランド,グリーノックの治安判事裁判所で有名な無罪判決を受けた「トライデントの3人」のアンジー・ゼルター,エレン・モクスレイ,ウラ・ローダーである.ウラ・ローダーは現在,いくつもの反トライデント「違法行為」で明日の判決を待って,スコットランド,コーントン・ヴェイル刑務所に留置されている.ライト・ライブリフッド賞はこの運動を次のように賞賛している.「世界を核兵器から解放するための,一貫性を持ち,透明性がある非暴力直接行動の一つのお手本である.彼らの独創的な運動は,これらの兵器の違法性を人々にはっきり認識させた.」

エレン・モクスレイはその大きな喜びを次のように述べた.「この著名な賞を国際社会から受けることは,130人のTPの誓約者全員のハードな非武器化活動の正当性を証明するものです.これと対照的に,スコットランドの高等法院はグリーノックの無罪判決を否定し,自らが核兵器国の道具にすぎないことを示した.この賞はTP運動が非核の未来のための重要な貢献者であり,またトライデントが国際法違反であることを確認するものです.」

トライデント・プラウシェアズ運動は、1998年に開始された.それ以来,1350回の活動家の逮捕,拘置所で過ごした延べ日数1351日,171件の裁判,課された罰金の総額は25,275ポンドにのぼっている.イギリス政府はトライデントの廃棄について運動側と話し合うことを一貫して拒否している.

(訳 豊島耕一教授)

ゴイル湖の平和運動家を支援する会ののホームページより

http://www03.u-page.so-net.ne.jp/ta2/toyosima/goilsupt.html

 

トライデント・プラウシェアズ報道発表 2001年11月8日

反トライデントキャンペーン、来週ロンドンでの直接行動を約束:でたらめと評されるイギリスの「対テロ戦争」

反トライデントキャンペーン、トライデントプラウシェアズは、この週末、11月16日(金)から19日(月)にかけて、ロンドンで直接行動を行う。

 このキャンペーンが目指しているのは、違法な大量破壊兵器とされるイギリスのトライデント核兵器システムに反対するための、平和的、非暴力的、オープンで安全、かつどのように行われたかいつでも説明のできる直接行動を実行することである。これまでキャンペーンは、トライデントに使われる場所であるクライド川沿いFaslane潜水艦基地、Barrowの潜水艦造船所、英国空軍WitteringのAWE Aldermastonや核兵器護衛基地などに焦点をあててきた。活動家たちはこういった場所で、潜水艦HMS Vengeanceが完全配備されるのを遅らせたり、クライド川沿い基地やAldermastonでは侵入・封鎖により相当な分断を引き起こしたりと、効果的な直接行動を取っている。

 このキャンペーンは、57名の国会議員(26名のウェストミンスター下院議員を含む)や、多くの教会リーダー、有名人から支持を得ているほか、今年の「もうひとつのノーベル賞)」―12月にスウェーデンの議会で贈呈されるライト・ライブリフッド賞―を受賞した。このような市民からのサポートを得る一方、1516の逮捕、213の公判、刑務所での1418日間(警察内は除く)、合計30,044に至る罰金にたいしての不承認をとりつけてきている。

 ロンドンにおける長い週末の狙いは、政治的、軍事的、資源供給システムの中枢センターに対して行動を起こすことである。議員広場やウェストミンスター寺院の外での終夜の見張り、下院議員らによるロビー活動も行われる。

 トライデントプラウシェアズのメンバー、Peter Lanyonは、「私たちの非暴力対決を、トライデントへの政治的責任を持つ首都へ持っていくのが楽しみです。テロ(Terror)に対するいかなる「戦争」も、我々自身の恐ろしい(Terror)武装を解除しないようでは全くのでたらめに過ぎません。トライデントは何百万人もの無実の人々をすぐにでも殺戮できるのです。」と語っている。

(訳 吉住涼子)

 

トライデント・プラウシェアズ報道発表 2001年11月19日

「戦争犯罪査察団」 ロールス・ロイス事務所を閉鎖

 

国際的な「戦争犯罪査察団」は、今朝ロンドンのバッキンガム・ゲートにあるロールス・ロイス公開有限会社の本社オフィスを訪れた。イギリスのトライデント核兵器計画およびアフガニスタンへの空爆に関連して、この会社の人道に対する罪への関わり合いの証拠を探すためである。

7人の活動家からなるひとつのグループが作業員にインタビューし、ファィルを探すため中に入っている間、もう一つのグループは、オフィスへの通行を妨げ、横断幕を掲げた。それには「ロールス・ロイスは戦争犯罪で儲けている」と書かれてあった。彼らは、警備員に引きずり出されるまで90分間にわたって玄関の広間を占拠した。

この会社は、100キロトンの核弾頭を装備したイギリス艦隊の4隻のトライデント型潜水艦の原子炉製造への関わりあいについて綿密な調査を受けている。これらの核弾頭は、民間人と軍事目標を識別できないという理由から、国際法の下では不法である、と判断されている。この他の申し立てには、アフガニスタンへの攻撃で巡航ミサイルを使ったイギリスのハンター・キラー型潜水艦に対して原子炉を供給したこと、人権問題で悪い前歴を持つ国々に対して武器を供給したこと、1960年代半ば以降、イングランド中北部のダービーシア州にあるクライチで兵器級の核廃棄物を埋設したことが含まれている。

このグループの一人でベルギーのゲントに本拠をおく「母なる大地のために」運動のボランティアのディビッド・ヘラー(25)は、「ロールス・ロイスは戦争犯罪と人類に対する犯罪に関係している。それで私たちは、彼らが法律と人権を無視していることに対して人々が反対しているのだ、ということに気付いてもらいたいのだ」と語った。

この査察団は、イギリス、スコットランド、ベルギー、ドイツおよびフィンランドから来たチームとトライデント反対運動のトライデント・プラウシェアズのメンバー。

トライデント・プラウシェアズは金曜日の夜、イギリスがトライデントを継続的に、かつ、積極的に配備していることについて注意を喚起するために、ダウニング通りを1時間にわたって閉鎖した。

(訳 K)

ゴイル湖の平和運動家を支援する会のホームページより

 

イギリスの核兵器基地で非暴力直接行動

2002年 2月 11日,12日,13日

ブロックン・ロール

ファスレーン大封鎖  2 0 0 2

共催 トライデント・プラウシェアズ,スコットランドCND,英国CND,ファスレーン・ピースキャンプ

オーストラリアの57団体と議員:「戦争にNO」

オーストラリア平和委員会、オーストラリア地球の友など57の団体および議員が、9.11事件への軍事的対応を拒否、首相John Howardと野党党首Kim Beazleyに書簡を送った。書簡には広範囲にわたる様々な平和団体、環境団体、教会組織、ムスリム組織、労働組合が署名している。署名団体には、UN Association of Australia, the Medical Association for the Prevention of War(MAPW), Womens Electoral Lobby(WEL), National Union of Students, the Australian-Arabic Council, the Islamic Council of NSW, the Catholic Coalition for Justice and Peace and the Australian Education Union(AEU)などが参加している。

書簡の監修者たちはこう言う:

「この手紙への広い支持が、オーストラリアの社会において戦争を良しとする合意は事実上ないことを示しているのです。アフガニスタンにある赤十字の倉庫や村や居住地域を爆撃することが、テロに立ち向かう方法でないことを理解する人々が増えつづけています。そして、アメリカ(もしかしたらオーストラリアにも)に対するこの先のテロ攻撃、より多くの人々が死に至る、そんな紛争の拡大にますます人々は深く関心をよせています。」

「責任感をもち正しい考えをする、未来に関心あるオーストラリアの人々に、シドニーで明日開催されるNo-反戦連合による平和集会、メルボルン、アデレード、パース、ブリズベーンで開催される平和集会への参加をお勧めします。また戦争に関心をもつ人々に、選挙の際は投票箱にてその関心をはっきり示すよう、強く勧めます。

 

Howard首相およびKim Beazley野党党首様

 

下記の署名団体はあらゆるかたちのテロリズムを全面的に非難するとともに、人間の生活に対する政治的、財政的もしくは宗教的、いずれかの目的をもった暴力行為をも全面的に非難します。

我々は、世界貿易センターへの恐ろしい攻撃に対するアメリカ主導の報復は、テロ問題を悪化させるであろうという強い懸念を表明するためにこの手紙を書いています。報復は、生物及び核兵器が次の手段として可能性を持つような、今まで以上に増加した暴力の連鎖に繋がるかもしれないのです。

憎悪の始まり、という観点でみれば、この懸念はいっそう重大になります。

現在テロに立ち向かうためにとられている手段―具体的には、正しくもそうでなくともテロの拠点と言われている国家、特にアフガニスタンを攻撃すること―は、テロの問題を悪化させても良くはしない。このことを我々はことさら強調したいのです。

軍事的行動はどうしても多数の一般市民に犠牲者をだします。犠牲者―9.11事件にもっとも関係のなかった人々の犠牲です。このような犠牲者は、テロの原因を増長するだけです。

アメリカや、オーストラリアも一端を担う同盟国側に立つ代わりに必要とされていることは、アメリカがそれ程の深い憎しみを持たれてしまう奥底の理由に対する、成熟し、痛みを伴うかもしれないが必要不可欠な熟慮なのです。

つまり必要なことは、世界的支配を優先するアメリカの外交政策が変わることです。代わりに、国際法的組織の維持し、そしてより重要であろうことには富や力が弱いグループと国家が経験している不平等を広く知らせることが、テロへの動機の多くを取り除くことになるでしょう。

これらのステップを踏まずしてテロリズムを廃絶することはできません。

アメリカの近しい同盟国としてオーストラリアは、アメリカのグローバルな政策の基本と方向性について、そういった現実的な試みを促す重要な役割を果たすべきです。

不正に与えられる恐怖に不正な恐怖で応えるようでは、もしくは単に、深く潜むテロの根源に対処しないでいるようでは、ただそのサイクルを繰り返し拡大させてしまいます。そのような政策のもとでは、核や生物兵器戦争へのエスカレートもありえるのです。

わが国がアメリカに促すべきことは:

1)9.11事件への対応に節度と抑制を取り入れること

2)一般市民がターゲットになることを絶対的に避けること

3)可能などこででも、テロに関わった者たちを国際法的機構と国連の構造を用いて裁くこと

4)提案されている国際刑事裁判所(ICC)の一刻も早い設立を促すこと

このような方針は、ANZUS条約の6条「この条約は、国連憲章のもと、もしくは国際平和と安全の維持のための国連の責任を持つ当事国の、権利と義務にいかなる方法であっても影響しないし、影響されると解釈されない。」と一致するものです。

我々は政府、そしてアメリカに、これらの出来事への対応の一つの可能性として、ロッカービー事件においてとられた方法を考慮することを強く勧めます。完全に中立な裁判というロッカービーモデルの採用は、法の支配に基づく世界秩序に向かう動きを促進し、犠牲者の死が無駄ではなかったことを確認することになるでしょう。

近頃の攻撃を考慮して、オーストラリアおよびアメリカ合衆国は国際刑事裁判所に対するサポートを批准すべきであり、これは進行に基づいてテロ行為が対処される手段であるべきです。

我々は繰り返し主張します。事件への対応が無差別な軍事力であれば、テロリストだけが勝者となってしまうでしょう。

我々は、あなた方にこれらの点を合衆国政府に認識させるよう、嘆願します。そして我々はオーストラリアがアメリカに、今起こっていることへの対応として無差別に何でもさせないよう、強く願うものです。

署名:(以下略)

 (訳 吉住涼子)

 

 ビデオと講演  

パキスタンから見たアフガン、アメリカ、核

日 時: 2002年2月23日(土) 午後4時30分開場、午後5時〜7時

場 所: かながわ労働プラザ、4階第5議室(横浜・石川町駅北口より徒歩3分)

講 師: ペルベズ・フードボイ(パキスタンの反核運動家、国立カイデ・アゼム大学物理学部教授)

ビデオ: 同氏が制作した上映『核の影に覆われたインドとパキスタン』(35分)日本語版

入場料: 1,000円 会場地図はピースデポのホームページで:http://www.peacedepot.org/new/011227.html

主 催: NPO法人「ピースデポ」Tel:045-563-5101 Fax:045-563-99