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ウィラマントリー元国際司法裁判所判事来日報告
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 asahi.comなどによると、国際司法裁判所(ICJ)前副所長で核兵器の絶対的違法性を強く主張してきたクリストファー・ウィラマントリー博士(74)が2001730日に来日し、成田空港で朝日新聞記者と会見した。同氏は「核兵器の使用・威嚇は一般的に国際法に違反する」と判断した5年前のICJの勧告的意見を「不十分とはいえ、核廃絶を迫るためにもっと活用すべきだ」と強調し、冷戦期より核拡散がむしろ進む中で、核抑止力、核の傘に頼ることを「愚かなことだ」と批判した。

 ウィラマントリー氏は、ICJの多数説が「国家存亡の極端な状況」については核兵器の違法性の判断を留保したことを批判しながらも、全判事がすべての国に「全面的核軍縮交渉を誠実に行う義務」を課す判断で一致したと指摘。「すべての市民が自国の政府に、核廃絶は国家の法的義務だと迫る必要性がある」と訴えた。

 また、日本の生協などが「核兵器違法」宣言を求める330万以上の署名を集めたことについて「今や市民は国際法の主人公でもあり、市民の声はICJの判断に大きく貢献した。ICJは絶対的に違法とも言い切れなかったが、一人の判事の意見で全体の結論が大きく変わる可能性があった」と語り、「沈黙やあきらめが一番いけないことだ」と語った。

 日本国憲法については「世界でも数少ない軍事力否定のすばらしい憲法であり、国際法学者の観点からももっと多くの国がこのような憲法をもつべきだ」と述べた。

 氏は国際反核法律家協会所属。当協会と早稲田大学などの招きで来日。31日には外務省を訪問し、午後6時から東京の弁護士会館で講演した。

 ハーグ平和会議の2周年を記念して日本反核法律家協会が主催する「早稲田国際会議」が20019月1日、早稲田大学で行なわれ、C・ウィラマントリー氏は「核廃絶のための法律家と科学者の責任」を強調した。
 前判事は「核兵器が国際人権法の諸原則に反することが明らかなのに、国際法学者はその重い責任を怠ってきた。科学者にも核兵器開発に協力しない法的義務がある」と訴えた。