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情報・資料・意見
〔2020.6.18 IALANA総会報告〕
ビキニ被ばく訴訟
日本反核法律家協会 副会長
弁護士 内藤 雅義

 私の報告は、マーシャル海域で被ばくした漁船員に関するものです。
1.大部分の皆さんは、1954年3月1日のブラボー爆発をご存知だと思います。
 ブラボー爆発は、マーシャル海域のビキニ環礁でアメリカが実施した水爆実験です。この爆発は、日本では、漁船である第5福竜丸の船員が被災したビキニ被災事件として、よく知られています。第5福竜丸が日本に帰国後、船員全員が入院し、その一人が9月に亡くなりました。この被災事件は、日本全国における原水爆禁止署名運動のきっかけとなりました。署名運動は、3000万を集め、1955年8月の第1回原水爆禁止世界大会につながり、被爆者を勇気づけて1956年8月の日本被団協の結成へとつながりました。

2.私が今日お話ししたいと思っているのは、マーシャル海域で被ばくした他の漁船員が無視され、忘れ去られたということについてです。
 ブラボー爆発は、1954年3月から1954年5月にかけて米国が行った6回の水爆実験であるキャッスル作戦と呼ばれる一連の核実験の一つでした。被災した日本の漁船数は、1000隻に及ぶと言われています。
 しかし、原水爆禁止署名運動が日本の市民の関心を呼び起こしたことから、日米政府は核兵器禁止運動が日米の安全保障政策に影響を与えることを危惧しました。彼らは、水爆実験により被害を受けたのは、第5福竜丸の船員だけであるように見せ、他の漁船員の被害を隠ぺいしようとしたのです。1955年1月4日、日米両国は、米国が日本に200万ドルを第5福竜丸船員の放射線障害の見舞金として支払うという交換公文による合意をし、経過観察は第5福竜丸についてのみなされました。

3.次は、他の漁船員の被害がどうして知られるようになったかということです。
 高知県の社会科の高校教師とその生徒たちが、課外授業で原爆被爆者の聞き取りをしていました。1985年、彼らは、原爆だけではなく、マーシャル海域における放射性フォールアウトを経験したある原爆被爆者(最終的に死亡)に出会って聞取りをしました。それ以後、彼らは、高知県に住み、マーシャル海域で被ばくした相当多数の漁船員の聞き取りをしたのです。漁船員は、持続的な体調不良に苦しみ、最終的に多種多様な癌や、その他の放射線障害とみられる他の病気を発症しました。

4.最後のスライドは、船員保険と訴訟に関するものです。
 漁船員は、船員法に基づく給付を受けるために船員保険を申請しましたが、拒否されました。船員保険に基づく補償(給付)の要件は、事故(被曝)と疾病(放射線障害)との間のリンク(因果関係)です。その要件の構造は、原爆症認定と同じものです。
 しかし、困難があります。政府による意図的な隠ぺいのためにマーシャル海域における漁船員についての疫学的な調査がないのです。
 今年の3月30日、漁船員たちは、高知地方裁判所に訴訟を提起しました。法律家は原爆症認定訴訟を支援した医師や科学者の協力を得て、漁船員を支えています。この訴訟は、核兵器禁止条約6条ともかかわるものです。
 ご静聴に感謝すると共に、今後とも注目をお願いします。


初出・機関誌『反核法律家』104(2020年秋)号
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