• HOME
  • JALANAとは
  • 声明・決議
  • 情報・資料・意見
  • スケジュール・イベント
  • 機関誌出版物
  • リンク集
  • サイトマップ
  • お問い合わせ
  • English
  • JALANAとは
    • ご挨拶
    • 協会の概要
    • 協会の会則
    • 役員名簿
    • 入会申込
  • 声明・決議
    • JALANAに関する文書
    • IALANAに関する文書
  • 情報・資料・意見
    • 核兵器禁止条約
    • モデル核兵器条約(MNWC)、これまでの核兵器条約案
    • マーシャル諸島共和国の核兵器国に対する提訴
    • 原爆裁判・下田事件判決
    • 新原爆訴訟の提案
    • 原爆症認定訴訟
    • その他
  • スケジュール・イベント
    • 日本反核法律家協会主催のイベント
    • その他関連団体主催のイベント
  • 機関誌・出版物
    • 『反核法律家』バックナンバー
    • バックナンバー申込フォーム
    • その他出版物の紹介
HOME > 声明・決議
声明・決議

被爆80年にあたり、核抑止論から脱却して
日本政府に核兵器禁止条約への参加を求める声明

  1.  1945年8月、米国によって、6日に広島、9日に長崎に原爆が投下されてから80年の節目を迎えた。この80年間、核兵器は実戦使用されることなく、核の不使用規範、すなわち「核のタブー」が被爆者をはじめとする市民社会の取り組みにより維持されてきた。そして、昨年10月、被爆の実相を語り、核廃絶を呼びかけ「核のタブー」の確立に貢献した日本原水爆被害者団体協議会(日本被団協)はノーベル平和賞を受賞した。
     その一方で、今なお世界にはおよそ1万2000発の核兵器が存在し、そのうち4000発程度が実戦配備されている。ウクライナ侵略に際してのロシアによる核兵器の威嚇、イスラエル政府関係者による核使用のほのめかしは、Bulletin of the Atomic Scientists(原子力科学者会報)をして終末時計を昨年より1秒進めて「終末」まで89秒とさせた。核兵器使用の危険性はかつてなく高まっているのである。
     さらに、イスラエルによるガザ地区に対するジェノサイドやイランの首都や核関連施設に対する空爆は、国連憲章や国際法を無視する違法な武力の行使である。イスラエルの先制攻撃はイラン側からの報復攻撃を招き、世界は予測不能な事態に陥りつつある。
  2.  核兵器使用について、核兵器不拡散条約(NPT)は「全人類に惨害」を、核兵器禁止条約は「壊滅的な人道上の結末」をもたらすとしている。五核大国首脳も「核戦争に勝者はなく、決して戦ってはならない。」としている。にもかかわらず、核保有国及び核依存国は「国家安全保障」を口実に、核兵器の保有と使用を前提とする「核抑止論」に依存している。「人類と核は共存できない」と訴えてきた被爆者の願いは無視され、核兵器廃絶は究極のかなたに追いやられているのである。
  3.  本年6月、広島を訪れた米国のトゥルシー・ギャバード国家情報長官が、核廃絶を訴えるなどの報道もあるが、米国に核政策転換の動きはない。核保有国が、核を手放そうとしない最大の要因は、自国の安全保障を核兵器に依存する核抑止政策にある。「核抑止論」とは、他国の動きを封じるために核の使用を前提とすることで成り立つ理論であり、相手国も同様の立場に立てば際限のない核軍拡競争を生み出すことになる。「安全保障のジレンマ」である。
     そして、均衡が崩れ抑止が破綻しない保証はどこにも存在しない。また、意図的のみならず事故や誤算によって使用される危険性は排除できないので、私たちは常に「壊滅的人道上の結末」に晒されていることになる。
  4.  2024年9月現在、核兵器禁止条約の署名国は94、批准国は73にのぼり、着実に広がりをみせている。本年3月に開催された核兵器禁止条約第3回締約国会合は、核兵器のもたらす壊滅的な人道上の結末とリスクを裏付ける新たな「科学的証拠」があるとして「核抑止という誤った考え」を批判し、核兵器のない世界にさらにコミットする宣言を採択した。安全保障政策としての核抑止論が危険極まりないものであることを科学的な見地から明らかにし、核抑止パラダイムからの脱却を訴えている。
  5.  2022年12月に策定された「安全保障に関する最上位の政策文書」とされる「国家安全保障戦略」は国家挙げての防衛力と米国の核兵器に依存する安全保障政策を採用している。それが「希望の世界」への道だというのである。しかしながら、その道は「壊滅的な人道上の結末」への道である。
     私たちが選択すべきは「平和を愛する諸国民の公正と信義に信頼して、われらの安全と生存を保持」し、「全世界の国民が、ひとしく恐怖と欠乏から免れ平和のうちに生存」できる世界である(日本国憲法前文)。
     1946年11月、日本政府は「一度び戦争が起これば人道は無視され、個人の尊厳と基本的人権は蹂躙され、文明は抹殺されてしまう。原子爆弾の出現は、戦争の可能性を拡大するか、または逆に戦争の原因を終息せしめるかの重大な段階に達した」との認識のもとに、憲法9条は制定された(『新憲法の解説』)、としていたことを想起しておきたい。
  6.  被爆80年にあたり、私たちは「核兵器も戦争もない世界」を創ること改めて決意している。そのために、日本政府に対して、速やかに、核抑止論から脱却して核兵器禁止条約への参加を求める。
     そして、私たち自身も、「核の時代」における徹底した非軍事平和思想に基づく日本国憲法と「核抑止論」を否定する核兵器禁止条約を最大限活用し、市民社会の一員として、愚直に行動すること誓う。

2025年6月20日
日本反核法律家協会会長
大久保 賢一

JALANAに関する文書
IALANAに関する文書
日本反核法律家協会
〒359-0044
埼玉県所沢市松葉町11-9ピースセンター(大久保賢一法律事務所内)
Copyright(C)Japan Association of Lawyers Against Nuclear Arms.